tajimi Street
ギンギツネの私的なブログ
誰でも自分の人生の舞台では自分が主人公である、たとえハリウッドの大スターでさえ私の人生では脇役の一人になる、総理大臣など出番の少ない脇役になるであろう。
私の人生、スーパーヒーローには程遠いが、まあこんな主人公が居たって良いと思う。
そう思うと、人の数だけ物語があるのであろう。
普通の学校を出て、普通の会社に入り、普通に結婚して 子供を育て、定年して老後を送る、こんな普通の主人公が居ても良いと思う。
ドラマや映画の様な人生だけが良いとは思わない。
さて 今日も相変わらずダンプだった・・・結構疲れる、ただ積んで降ろすだけなのに・・・・・
生コン業界は益々仕事が減っていくようである、毎日社員の半分位の出荷しかない、困ったもんだ、やっぱり首か?
明日は8時半出勤・・・やっぱり仕事が無いみたいだ、いつまで続くのであろうこの景気。
まだ仕事が有るだけ良いか (無いけど) 兎に角明日も会社に行く、来るなと言われるまで行くぞ。
生コンは3月は忙しいはずなのに・・・・・今年は暇なのか・・・・・
こうも仕事が無いとマジで解雇の心配をしなくてはいけない、最悪このままダンプ乗りに収まるか。
またダンプも迫害の職業である、お母さんが子供に 「ちゃんと勉強しないと あんなふうになっちゃうのよ・・・」 とか言われながらダンプを走らせる・・・・・泣けてくる。
しかし玩具にダンプは多い、子供がダンプのおもちゃを持って 「ブーン ブーン」 などと言って遊んでいるのをたまに見る。
やはりダンプも子供には好評 大人には不評な職業である。
多分 綺麗な服を着てする仕事が大人には人気なのであろう、私もカメラマン時代スーツを着てブライダルを写していた頃は白い目で見られた経験は無い。
とはいえ、生コンだろうとダンプだろうと私は最近引け目を感じなくなった、見下すような目線で見られる事も実際あるが、なにかもうどうでも良いと思う。
自分で働いた金で食っているという事実、これが胸を張れる理由である。
普段乗っている生コン車は四トンなので大型は事実上初めての実務だった。
さすがは大型 幅が広い、しかし一時間も乗れば馴れるものだ。
積み込みはユンボがやってくれるので、あとは指定された所に降ろすだけ。
生コンに比べて良い点、降ろす場所が決まっていて地図で探す必要が無い、構内で積み降ろしなので交通事故の心配が少ない、定時に終わる。
悪い点、一日中運転していなければならない、つまり待機が無い、道が悪く胃下垂になりそう。
こんな所か。
さて明日は何をやらされる事やら・・・・・兎に角今は求人が無い状態、それに運転は好きなので、首と言われるまで此処で頑張ろう。
誤解している人も居ると思うので言っておくが、全ての現場で加水が行われている訳ではない、私の経験でいえば現場の九割は加水しない、残りの一割の現場では残念ながら行われている。
なぜ九割の現場は加水しないのか? それは始めから軟らかい水分多めな生コンを注文するからである。
水分が多めな生コンは強度が悪いという訳ではない。
ちゃんとしたJIS規格にも軟らかく水分多めな商品も有るのだから。
加水する一割の現場は 水分の少ないボソボソの粘土状の生コンを注文する現場だ、なぜこんな生コンを注文するのか分からない、硬ければ良いと思っているのだろうか。
現場の人がとても施工出来ないので止む得ず加水するのである。
私も一度、余りに硬い生コンを運び ポンプに流れず作業中断、そこの監督は加水を認めず、持って帰れと言われた経験がある、代わりに工場から、水分の多い軟らかめの生コンを持ってきて再開した・・・・・どちらで加水しても商品は変わらないが、工場で水を加えるのはOKで現場で加水はNGなのである、何か矛盾を感じる。
しかしこの業界、明日が見えない。
私もいつヘマして首切られるのか分からないと言うのが現状である。
実に簡単に解雇されるのだ、だから絶えず先を考え 用意だけはしておかねばならない。
以前も書いたが、生コンのJIS規格では加水は厳禁とされている、強度が落ちるというのがその理由らしい。
しかし多くの現場で それは守られていないのが現実である。
理由は機材や施工技術が追いついていないのだ、なぜか設計士や監督は理想強度ばかり追い求める、それを送り出す生コン車やポンプ車が理想強度の生コンを送れない事を知らないのか?
まだ生コン車はいい、出ない事はないのだから、しかしポンプ車は可哀想、直径20センチ程のパイプの中を、水分の少ない粘土状の生コンを送るのである・・・・・中で詰まる・・・・・そのたびにパイプを外して 詰まりを取り又再開の繰り返し、私ら周りはそれをボーっと見ている事しか出来ない。
まずは理想強度の生コンを送り出せる機械の開発から始めないと、加水は無くならないであろう。
ある現場、私が着くと試験屋が待っていた、大きな現場では生コンの強度が正しいか検査する人が居るのだ。
一輪車を持って来て、一杯入れてくれと言うので、言われるとおりにする。
その横で現場の人達が 「おーい もう水入れていいか?」 と試験屋に聞いている・・・・・こんなの良いの? 目が点になる、普通 もっとコソコソと言うのかと思っていたが なんと大っぴらな事か、堂々と聞いている。
試験屋も渋々頷く、すると 「おーい 良いぞ 水入れてくれ」 と私に催促する、当然入れるしか選択は無い。
もうこうなると 何の為の検査か分からない。
次の現場、生コン車をポンプ車に着けると、ポンプ屋が有無を言わせず 勝手に何の断りも無く 私の生コン車を操作して水を入れ始めた・・・・・唖然・・・・・ 入れる入れる どんどん入れる、もうあきれ返る位入れている、私はただ呆然と見ているしか出来なかった、そして 「おう いいぞ 流してくれ」 と言い行ってしまった・・・・・まあいい 私は流すだけさ。
現場で施工しやすいように加水する人達、一方机の上で出来ない理想だけ追い求めている設計士、自分の検査だけ良ければ後は知らない検査屋、そしてそれらに何の抵抗も出来ない私。
もう何が正しいか分からないな。
しかし明日も来る、まあ ぼちぼちやりましょう。